
理学療法士・作業療法士向けのリハビリ記事になります
転子部骨折のリハビリと言うと何が浮かびますか?
疾患特異的にどういう特徴の人が多いか臨床像が具体的に思い浮かびますか?
病院で働く理学療法士や作業療法士はとても関わることの多い疾患であると思います。
なんだかんだ時間経過と共にある程度歩行は可能になる方が多いため、詳しく勉強せずに過ぎている人たちが多いように思います。
これに当てはまる方は、以下の記事を読んで頂けると日々の臨床の参考になり、より具体的なリハビリを提供する可能性が高まると思います。
今から私の臨床の経験談も踏まえてお伝えしていきます
目次
- まず要点から!!「転子部骨折のリハビリのポイント」
- 転子部骨折の概論
- 転子部骨折の歩行の特徴
- 中臀筋の解剖
- 中臀筋の筋トレについて
- 中臀筋の動作でのトレーニングについて
- ガイドライン
まず要点から!!「転子部骨折のリハビリのポイント」
ズバリ、ポイントは「歩き始めがスムーズに行えるかどうか」になります
患者様からも、「何歩か歩けばいいんだけどね〜」「歩き始めだけ痛くなるのよ」「歩き始めが怖くてね〜」など訴えが多くて困ることが多くありませんか?
そんな時、「そのうち良くなりますよ」や「歩く前に足踏みしましょうか」など誤魔化して対応している光景をよく見ます。
このように対症療法にならない根本的な改善を目指すためのアイディアを提供していきます。
最初に、結論だけ簡潔に伝えておきます。
歩き始めの改善には綺麗に立ち上がることがポイントです。
これは脳卒中の分野において姿勢制御の観点から考えられる姿勢制御系がポイントと考えています。
文献等の検索ワードとしては「歩き始めの歩行分析」「過渡期歩行」「sit to walk」などになると思いますが、Pubmedなどで検索したとして、脳卒中分野の報告はあるものの、整形分野の報告はほとんどないように思います。
※詳しい方がいたらコメントで文献等紹介してくれると嬉しいです。
転子部骨折の概論

転子部骨折は画像の付近の骨折となります。
大転子周囲の骨折です
つまり、中臀筋の停止部がダメージを受け、
さらに術式的からさらに中臀筋を切開するためさらにダメージを受けます
※今回は骨折の詳細や術式については割愛させていただきます。
介入としては中臀筋による一次障害と二次障害にアプローチしていく必要があります。
一次障害:中臀筋の筋力低下、股関節の可動域低下
二次障害:代償戦略として外側広筋の過活動→荷重時痛、股関節屈曲時のインピンジメント
腰部の過活動、底屈筋の過活動→真っ直ぐ荷重がかからない等
転子部骨折の歩行の特徴
教科書的には
・トレンデレンブルグ歩行
・デュシェンヌ歩行
・上記の複合パターン
に分かれます。
一般的には
デュシェンヌ歩行:痛みがあるor股関節の内転制限(MSt用の3度がない)
トレンデレンブルグ歩行:中臀筋の筋力低下
と言われています。
触診して評価をして、筋トレをするのか、痛みや可動域へアプローチするのか具体的になりそうですね
ただし、最初に書いたように、歩き始めの3歩程度の間だけ、上記の異常歩行が出る場合は、
先ほども書いたように立ち座りの代償が問題になっていることが多いように思います。
中臀筋の解剖
筋トレの前に中臀筋の確認を
・起始:腸骨稜
・停止:大転子
・作用:外転がメイン(繊維別に内旋・外旋ができます)
前部繊維:内旋
後部繊維:外旋
中臀筋の筋トレについて
臨床的には転子部骨折患者様は外旋・外転の出力が得られにくい印象があります。
ただし、人によって何が苦手か違いますので、
評価として、
①中間位での外転
②外旋位での外転
③内旋位での外転 を評価して苦手な部分をトレーニングしていくといいと思います。
基本的には筋力強化は必須プログラムです。
最初はMMT2のうちは背臥位で実施(難しい場合はビニール袋を踵に敷いて滑らせてもらう)
徐々に側臥位での外転へ移行していく。
●側臥位での外転のポイントとしては本当に中臀筋に負荷がかかっているかどうかを患者様に疲労部位を確認することです。大転子下の外側広筋や筋膜張筋に負荷がかかっていることが多いのです。これは代償になるため、あげれるからといって錘をつけたりしてはいけません。ちゃんと関節包内運動として滑りと転がりが生じている外転が起きていない時に上記の代償となるのです。そこが、歩くときに痛い場所と同様の場所ではないでしょうか?
対策としては、膝の下を持って、自動介助をする、大転子を押し込み関節包の滑りを誘導して実施して見てください。書いてあることは簡単なことですが、これすらできていないセラピストが同様です。
これができれば、中臀筋が即時的に促通されるため、即時的に歩行は変わると思います。
中臀筋の動作でのトレーニングについて
①難易度:低
端座位から反対側の足をベッド状に上げる=支持側の外転の求心的な支持
端剤座位で反対側の足を組む=支持側の外転の遠心的な支持
②難易度:中
立位で荷重練習:代償パターンとして、体幹の代償に注意しましょう。
上肢支持で支える人も多いので、注意。
手支持がないとできない人は座位からいきましょう
③難易度:高
片脚立位:ポイントは重心位置 足部の内側側で支える!
※いつか解説します
起立練習:両足への荷重を対称的に起立をします
起立練習
今まで説明した中で、歩き始めのために起立が必要と説明しました。
文献でも、大腿骨近位部骨折者は立位での荷重は対称に近いが、起立の途中で患側への荷重が少ないと言われています。これは結果的に立った後に荷重は調整できているものの、動作中に差が生まれ、異常な筋緊張が生まれた立位が完成しています。そのため、歩き始めの定常歩行前が跛行が出やすくなっていると言えます。
その原因は文献的に解析されきっていませんが、、、
臨床的には骨折初期の痛みがある期間に学習した代償と考えています。
もしくは股関節屈曲可動域の制限による前傾相からの不均衡による問題が大きいと思います。
そのため、股関節の屈曲ROMをしっかり行い、起立の動作指導を行います。
ではなぜ、股関節屈曲可動域が軽減するのか???
①転子部骨折により小転子にダメージを受け、腸腰筋の機能低下
②外転筋のダメージ(前述)による防御性収縮により、関節包内運動が生じにくくなったり、外転筋の代償による骨盤挙上により屈曲の大腿骨盤リズムが崩れる。
ことなどが考えられます。
股関節屈曲のROMは必ず実施してください。

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