<理学療法士向け>大腿骨近位部骨折の歩き始めの跛行について

大腿骨近位部骨折の跛行について

大腿骨近位部骨折=大腿骨頸部骨折、大腿骨近位部骨折であり、

歩き始め(1〜3歩目くらい)に痛みが強かったり、墜落性の跛行が生じて転倒リスクが高い患者様が多いと思いませんか?

私はリハビリの際に担当外の患者様のリハビリを実施する際は「今何に困っていますか?」と確認します。そうすると、「最初の歩き始めが痛いんだ」「最初がガクッとするんだ」と訴えが多いです。

これらに対して

私の今まで働いていた病院での対策は「歩く前に足踏みをしましょう」という対症療法の指導をしていました。これはなぜこのような状態になっているのか分析して介入できているのでしょうか?

これらが気になる方はこの記事を見ていただければ解決する視点を提供できるかと思います。

歩き始めって何が違うの?

健常者の歩行は歩き始めてから3〜4歩で定常歩行に移行すると言われています。

※歩き始めのことを過渡期歩行とも言います

つまり、過渡期歩行→定常歩行に移行していきます。

名前が分かれているということは何かが異なるということです。

動きで考えると、簡単に伝えるとスピードで分類されます。

 過渡期歩行とは:スピードを上げていく段階

 定常歩行とは:一定スピードになった状態

つまり、スピードを上げるところが上手くいっていないのです。

歩き始め(過渡期歩行)におけるスピードを上げる難しさ

立位姿勢で止まっている状態(釣り合っている)から前進するスピードを作るということ

=一旦、足の力を抜いて行って前に倒れる力を作っていき、進み始める必要があります。

患者様はまず、起立が失敗しており、過剰に筋活動を用いて立ち上がります。

それにより、そもそも立位が過剰な下肢の筋活動で固定して釣り合い状態を作っているのです。

よって、力を抜くことができず、スムーズに重心移動が起きずに、跛行が生じていることが多いです。

※定常歩行ができるのに過渡期歩行でおかしくなる人の話です。

つまり、起立がスムーズに行えるようになれば解決します。

ここであなたも歩き始めの跛行を体験して見ましょう(ボディーワーク)

1歩目のスムースさを評価します。

課題:右足を1歩踏み出す時の左足(患側設定)の支持の感覚を確かめる

 実験1:起立時に右足だけで(左足を浮かせて)で起立をしてから左足をつけて

     右足を1歩踏み出す

 実験2:起立時に両足荷重(1:1)で起立をしてから右足を1歩踏み出す

違いを感じられましたでしょうか?

患者様のような跛行までは出ませんが、ロッキングのようになったり支えが悪くなりますよね?

体験したあなたは健側機能や体幹機能がいいので軽めの代償で済んでいるのです。患者様は毎日この代償で過ごしているので、体の非対称や固定が強くなり跛行となります。

患者様での歩き始めの跛行の評価

評価①自由に立って歩き始めてもらう

評価②できるだけ患側に荷重をかけて立ち上がって歩き始める

➡︎①と②の差を確かめて少しでも患者様の主観的に楽だったり、客観的に改善があれば、

 起立の動作分析や介入をしていくと改善できると思います。

もし患側荷重して立てないのであれば、高座位にしたり、介助をして荷重をする条件を作り出して比較してください。

実際うまくいくのか?

リハビリ後半で定常歩行が安定している人は即時的に改善します。

まだ定常歩行でも代償が強い人は即時効果を得るのは難しいです。

即時的に改善する人は、機能練習(可動域や筋力がいい)がうまくいっており、運動学習的問題と思われます。そのため、日常生活上でも例えばベッドから立ち上がる際にも注意してもらうなど動作指導も行うと比較的改善しやすいと思います。

文献的考察

大腿骨近位部骨折者の筋力を健側と患側で比較したところ、

 ・臀筋群は健側<患側

 ・大腿四頭筋は患側>健側

であり、代償戦略が強くなっている

つまり、「膝がガクッと」するという症状に対して大腿四頭筋の強化をすることは間違っていることがわかりますね。なぜなら、患側の四頭筋は強いのですから。。。気づいていましたか??

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