大腿骨頸部骨折のリハビリ・理学療法のコツ

回復期リハビリテーションの対称疾患である大腿骨頸部骨折のリハビリについて、理学療法士に向けて臨床経験を伝えていきたいと思う。

大腿骨頸部骨折の臨床像はどのように感じますか??

大腿骨転子部骨折との臨床的な違い特に歩行での違いなど具体的にイメージはつくでしょうか?

そのような方に向けた内容となっております

目次

  • 要点まとめ!大腿骨頸部骨折のリハビリのポイント!
  • 大腿骨頸部骨折の概要
  • 大腿骨頸部骨折の歩行の特徴
  • 大腿骨頸部骨折と大腿骨転子部の歩行の特徴の違い
  • 大腿骨頸部骨折のリハビリ戦略
  • 股関節外旋筋の筋力トレーニングについて
  • 大臀筋の筋力トレーニングについて
  • 立位での股関節の支持練習について

要点まとめ!大腿骨頸部骨折のリハビリのポイント!

大腿骨頸部骨折の概要

大腿骨頸部骨折は大腿骨の根本が骨折する疾患です。

分類としては関節包内骨折とされます。その分、骨折部が筋の起始停止に関わることが少なく、関節包内のため、骨膜に痛覚の神経が通ってないので骨性の痛みが生じにくいのが特徴です。

術式は人工骨頭置換術もしくはピン固定となります。

医師の術式選択によるので、地域によってどのような術式が多いか異なります。

私の前の職場の地域では大腿骨頸部骨折の術式は人工骨頭置換術のみでしたので、ハンソンピンなどは経験したことがありませんでした。しかし、現在の職場では時々ハンソンピンの方が見えます。

私は、人工骨頭置換術の方のリハビリの経験が多いので、本日は人工骨頭に絞ってお伝えさせていただきます。

大腿骨頸部骨折の歩行の特徴

歩行の特徴は

 ・患側の立脚期に股関節が屈曲内転方向に跛行がでます(股関節の虚脱)が見られます。

  ※屈曲の要素の方が強いと思われます

 ・比較的痛みは少ない→痛くないけど上手く歩けない

大腿骨頸部骨折と大腿骨転子部の歩行の特徴の違い

・大腿骨頸部骨折:患側立脚期に股関節が屈曲内転する跛行が出る

 原因:外旋筋と大臀筋の損傷

・大腿骨転子部骨折:トレンデレンブルグ歩行orデュシェンヌ歩行

 原因:中臀筋の損傷

:大腿骨頸部骨折のリハビリ戦略

大腿骨頸部骨折により、外旋筋と大臀筋が手術により損傷を受けている。

➡︎肩のフォースカップル機構のように、股関節も外旋筋と大臀筋はフォースカップルを形成している。

 つまり、大臀筋のトレーニングの前に外旋筋のトレーニングが重要となる。ある程度外旋筋が働いてきてから、大臀筋の活動を求めていく。

さらに、関節包も切開しているので、股関節内の関節包内運動ができない。

➡︎股関節の関節包内運動(特に滑り)を作っていく。上記のインナーの外旋筋の活動を得るためにも、関節包内運動は重要となる。

股関節外旋筋の筋力トレーニングについて

①圧縮刺激を入れる

 例)端座位で骨盤を手で止めて、大腿骨から臼蓋に圧縮圧を細かく何度も入れることで関節包やインナーである外旋筋へ刺激が入る

②シェルムーブメント

 側臥位で股関節と膝関節屈曲位からの外旋運動

 ※この時に、股関節外旋運動に伴う関節運動の滑りが生じているか確認する。生じていない場合はハンドリングで補助していくことで外旋筋が上手く働いてくる。

大臀筋の筋力トレーニングについて

大臀筋は股関節伸展位からの伸展でよりハムストリングスより働く

①腹臥位での股関節伸展

 ※高齢者が多く、腹臥位が取れないと思います。そんな方は・・・

  立位でベッドを高くして、立ったまま前もたれになり、体幹を固定した状態で股関節伸展を行う

②お尻上げ

 ポイント:股関節屈曲可動域制限や屈曲時のインピンジメントが生じ安いと思います。つまり、股関節屈曲時に骨盤が前傾してきてしまい、お尻を上げる前から股関節が屈曲固定しているところから開始して上手く働きません。先に股関節伸展のROMを実施したり、お尻上げの姿勢を作るときに、足を曲げるところを補助してあげたり、屈曲角度を浅めにする。それにより、骨盤の前傾位にならないように注意してください

立位での股関節の支持練習について

大臀筋の活動が乏しいため、股関節が屈曲するとお伝えしました。

歩行の部分練習によりステップ練習などを実施すると思いますが、手支持をすると失敗しやすいです。その理由を説明します。

大臀筋の筋連結(アナトミートレイン)を考えると、対側の広背筋と連結します。

つまり、右の大腿骨頸部骨折により右の大臀筋が損傷をしたところ、左の広背筋が働きにくくなります。そうすると、左の体幹の伸展が得られずらくなり左肩が前に突進するような姿勢になりやすいです。

そこで、杖は左手につくため、杖に異常に頼るようになります。その杖の支持は伸展を促すものではなく、それ以上屈曲しないように固定するようになります。よって、右の股関節も伸展しずらくなり、悪循環となります。

つまり、手の支持があると股関節機能を高めずらくなります。

では・・・どうするのか?手の支持がないと転倒しかねません。

対策としては、左上肢を上方にリーチして左の体幹を伸展しながら右の股関節伸展をより得られやすくした状態でステップ練習を実施して見てください。

それでも難しい場合は股関節などをハンドリングで介助、具体的には股関節の伸展コントロールor体幹伸展をコントロール1or体の重さを免荷するように補助することで難易度調整していくことが良いと思います。

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