圧迫骨折とは脊椎の骨折になります。
圧迫骨折の理学療法はいろいろ禁忌事項があると思いますので、主治医と相談を進めながらプログラムを慎重に検討するべきです。その中でも、私がどのような点に注意しているかをお伝えできればと思います。
圧迫骨折の理学療法について 〜本記事の概要〜
圧迫骨折とは脊椎の椎体の骨折
体幹機能が低下する
=体幹のバランス機能が低下すると考えられます
骨折の仕方によって特徴が出るため、それに合わせてリハビリを提供する必要があります
圧迫骨折の病態 〜理学療法のポイント〜
脊柱は積み木のように積み上がって、バランスを取る
→骨の配列(アライメント)がバランス制御に重要な役割をします
チェックポイントはレントゲンでどのような骨折によりどのような形になってしまったのか?を確認してイメージを沸かせます。

左が正常で、右が圧迫骨折の状態です。
脊柱前方が潰れることが多いです。
そうすると写真のように前側の構造が短くなり、体幹が屈曲しやすくなります
=これが円背になります。
対して、後方が潰れると、反対になります。
円背になりやすい人には腰椎伸展のトレーニングキーになりそうなのがイメージできますよね。
圧迫骨折 円背タイプに適する運動
脊椎の前方が潰れてしまい、円背傾向になった方のリハビリでは
腰椎伸展筋力の強化が必須になります。
いくつかの理由があります。
①構造的に腰椎が屈曲しやすい状況のため、動作時に前方へのバランス制御が悪くなりやすい傾向のため
②コルセットを外した時に過剰に屈曲しやすいと、さらに椎体が潰れやすくなるため、アクティブに背筋が働く必要がある
③腰椎が常に屈曲位となっているため、背筋群が常に伸長された状態になっており、求心的に収縮しずらくなっている
※等尺的に過活動しているが、求心的に活動して脊柱を伸展させられないケースが多い
これらから背筋群の強化が必要となります。
例えば、長い経過が立っている円背は腹筋群や脊柱全面の靭帯が短縮や拘縮しているため、もう伸びづらく、可動域がありません。しかし、私たちがリハビリで関わる回復期ではまだ拘縮などにはなっていないと思われます。そのため、立位などで体幹が伸展できない人は背筋の強化が必要と考えられます。
実際のトレーニングの例 僕がリハビリを実施する時に考えていること
伸展筋群(背筋群)のトレーニング
①筋力がある程度ある人へのトレーニング
具体的には立位で体幹伸展できる人
トレーニング:立位で上肢の挙上練習(棒体操、チューブトレーニング等)
②筋力低下が強い人へのトレーニング
具体的には立位で体幹が伸展できないような人(体幹伸展MMTが2くらいの人)
トレーニング:側臥位で体幹伸展の運動
※MMTで2程度ということは座位や立位で重力に抗することができないので、その中で運動をしても代償が強く出てうまく鍛えられません。
ポイント:臥床でコルセットを外す許可が得られるのであれば、直接筋の収縮を補助しながら練習を実施する。
円背傾向の圧迫骨折者に対して腹筋の強化は行うべきと考えるか?
私は基本的に必要と考えています。ただし、状況に応じると思うので、時期に分けて考えてみます。
①発症早期
円背により、前面は短縮傾向になり、筋はこの状態に慣れていないと思われるので、うまく収縮できないと思います。そのため、収縮練習が必要になります。
また、腹圧を作るための前方の支持機構である腹筋が働くことで、腹圧が体幹の安定性を高めるため、構造的に弱くなった脊柱のコントロールを補助できると思います。
注意点としましては、脊柱の屈曲運動自体は禁忌事項となりますので、トレーニング方法に工夫が必要です。
そのため、一般人が思い浮かべるようなクランチ(腹筋運動)はリスクになり得るので避けるべきです。シャキアエクササイズのような頭部だけを上げる運動にする(胸椎腰椎は動かさない)か深呼吸、等尺的にお腹に力を凹ませて入れる運動、体を起こした状態で粘土を潰すなどいろいろ実施できます。
②発症からかなり経過している
一般的には背筋が働きにくく、腹筋が短縮傾向になり、徐々に円背が強くなるケースが多いと思います。そういう方には腹筋の筋トレではなくストレッチが必要と考えられます。
YOUTUBEで神経ストレッチの金子先生が胸骨付近をモビライゼーションしているのはこれに近いと思いますね。
まとめ
今回は、脊椎椎体圧迫骨折の理学療法について簡単に概論をお伝えしました。
屈曲・回旋など禁忌事項があることが多いですから、医師と連携をとり何をどこまでしていいのか注意しつつリハビリを実施する必要があります。
しかし、その中でもどうにか体幹のトレーニングをしていかないと脊柱のバランス制御が悪くなります。骨折の病態に合わせて体幹の伸筋群や腹筋群のトレーニングをしていくことが機能訓練の基礎となります。
私が働いている病院では足のトレーニングしか実施していない人が多いです。
※臥床期間による下肢の筋力低下も生じるため下肢の強化「も」必要になります。

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